CEEPO(シーポ)トライアスロンバイク/現役トライアスリートによって開発されたトライスロン専用バイク

トライアスロンのお話しシリーズ 第35話 【あきらめない❗️】

トライアスロンのお話しシリーズ 第35話 【あきらめない❗️】

トライアスロンのお話しシリーズ

第35話
【あきらめない❗️】

CEEPOを始めてからレース参加ではなく仕事でレース会場に行く機会が多くなりました。
そのおかげで多くの感動シーンを見られるようになりました。

今でも記憶に残る一つの感動と学びを得たレース紹介させていただきます。

そのレースは2004年全日本トライアスロン皆生大会で、女子総合優勝をかけた岡いずみ選手と松本華奈選手の争いでした。

両選手ともフルタイムワーカーでありながら当時のミドル、ロングでの国内トップクラスの選手です。

両者の各カテゴリーのパフォーマンスレベルはスイムで松本華奈選手が有利、バイクはほぼ同じ、ランは岡いずみ選手が有利という状態でした。
ただし松本華奈選手のランも素晴らしく速く、2006年だったと思いますが、アイアンマンハワイコナでエイジ女子のラン世界記録(3時間14分)を樹立したハイレベルのランナーです。

レースは予想どうりスイムで松本華奈選手が大きくリード、バイクで岡いずみ選手が追い上げ、ランスタート時点で松本華奈選手が6分のリードという状態でした。

ラン前半は松本華奈選手が快調な走りを見せ、ランスタート時の6分差を折り返し地点で10分に広げていました。
しかし皆生特有の暑さで松本華奈選手のラン後半のスピードが若干落ち始めました。
一方、岡いずみ選手は後半になって前半の不調から立ち直りを見せ追い上げが始まりました。

そして最大のドラマはゴール手前の数百メートルに起こりました。
皆生トライアスロンは交通ルールを守って走るレースですのでランコース上にある信号は守らなくてはなりません。

逃げていた松本華奈選手がゴール手前の信号に止まっていた時、追い上げてきた岡いずみ選手が追いついたのです。

注)この信号待ちのシーンを見て、松本華奈選手がアンラッキーとか岡いずみ選手がラッキーとか考えがちですが、それは違います。
参加選手は同じ条件の中で戦っているのでラッキー、アンラッキーはありません。
二人とも決められたルールの中、あきらめず全力で走ってきた結果が最後の信号待ちという状況に至ったのです。

そして優勝をかけたレースは残り数百メートルの勝負となりました。
岡いずみ選手はそこでラストスパートをかけ一位でゴールテープを切りました。

そのラストの二人の死力を尽くしたランは本当に壮絶で、ゴールと同時に2人とも倒れ動けない状態になり、救急隊のお世話になりました。

岡いずみ選手がCEEPOに乗っていた関係で、私はランの要所要所で2人の走りを見ていました。

必死で逃げる松本華奈選手と、あきらめることなく必死で追い上げる岡いずみ選手の両選手から勝負にかけた強いオーラを感じ、本当に大きな感動をもらいました。
そして「決してあきらめない!」ことの大切さを学ばせてもらいました。

以下にレース後に投稿された岡いずみ選手のレースレポートを記させていただきます。
是非ご一読頂き、あきらめないことの大事さと感動を味わって下さい。
写真提供 : 岡いずみさん

多くの感動と学びのあるトライアスロン❗️最高です❗️

Endless Triathlon Life❗️

【岡いずみ選手レースレポート】
第24回全日本トライアスロン皆生大会(S3,B145,R42.2km)     2004/7/18 岡 いずみ

2連覇がかかったこの大会。今年はIMジャパン優勝の堀陽子さんがエントリーをしていたので、まず優勝は無理だろうと思っていた。しかし、堀さんと力の差を知る絶好の機会なので、全力でぶつかっていこうと思って大会に臨みました。今年の夏は猛暑の日が続き、都心では気温39度!という日もあった。体調のコントロールが難しく、大会前から風邪気味で体調は下降気味でした。

大会前日、ホテルで大会の準備をしていると携帯にテレビ局からの取材電話が入った。そこで堀さんが欠場する話を聞いた。

明日のレースで自分の力を出し切ればV2の可能性が見えてきた。しかし、体調が・・

喉は痛いし、微熱はあるし、めまいはするし、食欲もない。こんな状態で明日のレースは大丈夫なのだろうか?とても気が重かった。ドリスタン(風邪薬)を飲んで早々寝床に入るが、呼吸は苦しく、寝汗と熱で何度も目が覚めた。そして、ついに起床時間になってしまった。おにぎり1つを無理やり口に押し込んで、スタート会場に向かう。

スイムスタート地点で、アジャリの弘樹さんと宮田さんに遭遇する。2人からパワーをもらって、いざスタートラインに立つ。私の周りは招待選手の白キャップばかり。
ミスタートライアスロン小原さんに、佐藤貴さん(大阪)、高山好哲さん(大阪)・・・。
大阪の仲間たちの冗談を言っている雰囲気に囲まれ、緊張が解れたところでスタート。泳ぎ始めると、海からうねりが押しよせ、次第に波が高くなってきた。体調が良くなかったので、胸が詰まって呼吸が苦しい。泳いでいる方向も分からなくなり、パニック状態気味になってしまい、しばらくポケーっと浮いて呼吸を整えた。海は泳ぎ難かったが、適当に手を掻いているうちに終了。スイムで出遅れるのはいつもの事・・と、自分に言い聞かせ、9位でバイクをスタート。

バイクコースは後半がきつくなるので、前半は押さえて走った。しかし、体に力が入らず10km地点で既に体がシンドイ。大山道路をふらふらしながら登る。周りから「女子TOPと7分差で2位だ!」と教えてもらうものの、私は“今日は完走できるのかな?このままではリタイアかな?いや、完走だけはしなきゃ・・”心の中で自分との戦い。気分転換に補給食を・・と気を紛らわそうとするが、好物の“ういろう”すら喉が通らない。体調の悪い時のレースって面白くないなぁ~我慢・我慢をしてバイクを終える。

「女子TOPと6分差!」シーポの田中さんが教えてくれた。6分差ならランで挽回できるだろうと思っていたが、走り始めた途端にめまい・・と、脱力感が押し寄せる。“あー体が、かなり参っている。でも、リタイアなんてしたくない”気持ちだけで走りつづけた。
ランは往復コース。20km地点で、折り返してきたTOPの松本華奈選手を確認できた。

とても快調に走っている。その時点で10分以上も差が広がってしまったので、正直、優勝は無理だろう・・・と思った。“今回は完走できればいい”と、自分にいい聞かせながら走っていた。折り返しに向かって走って来るたくさんの選手達とすれちがった。

私の悲壮感ある姿?を見て、「岡さんがんばれ」「最後まであきらめるな」と息を荒げながら、みんなが声をかけてくれた。弱気になって、気持ちが沈んでいた私には、とてもありがたい言葉だった。と・・同時に、だんだん気持ちが高ぶってきた。

25km地点のエイドに辿り着くと、ここで、松本選手が1分も休んでいたと聞き、“今!やるっきゃない”と急に気持ちが切り替わった。エイドでおにぎりをほお張り、持っていたアミノバイタルを水で流し込み、ペースを上げて走ってみる。おにぎりが利いたのか?だんだん元気が出てきた。

30km地点で8分差と確認、2分以上縮めた。残り12kmをキロ、4分ペースで走れば追い付くかもしれない・・・。無茶苦茶な計算をし、後半潰れてもいい・・キロ4分で走っているつもりで突っ走る。“去年、井出さんは30km地点であった5分差を逆転で優勝している。レースは最後まで何が起こるか分からない。私も最後まであきらめないで走ろう。そして勝ちたい!”と、強く思った。

相変わらず、すれちがう選手達や沿道の声援が続き、それが私に力を与えてくれた。

残り3km地点の交差点で3分差まで詰めた。4月の宮古島で痛めたふくらはぎに痛みが出はじめ、視界には松本選手が見えてこないので気持ちが焦りだす。市内に入ると、信号がいくつも続くので走るリズムが狂ってくる。残り1km地点の信号が見えてきた。「赤」だった。
すると、私の前を走っていたオジサンが急に後ろを振り向き、手を叩いてから「ゲッツ!」ポーズをする。最初はそのリアクションの意味が理解できなかったが、交差点に行ってみると、なんと!松本選手が信号待ちで足止めをくらっていたところだった。“え!こんな事ってあるの?信じられない”と私は驚きと喜びで心臓が破裂しそうだった。信号が「青」になった途端、松本選手がスパートをかけて逃げはじめた。私は、松本選手の足の動きを観察しながら、追い、タイミングをみてダッシュをして抜く。

すると、背後でみるみるうちに遠ざかってゆくのが分かった。沿道から松本選手の伴走をしていた母親の「カナ~っ」と悲鳴みたいな声が聞こえてきた。私は、申し訳なくなってしまったが、勝負の世界ではこんな事もあるんだな・・と思いながら、後ろを振り向かずにゴールに飛び込んだ。

ゴールしたら自然と涙が溢れでてしまった。辛かったけれど、最後まであきらめないで、本当によかった。シーポの田中さんの奥さんも泣きながらやってきて「もう・・・感動しちゃぅったわ。ダメかと思った」と、とても喜んで、よろける私の体を支えてくれた。

GOAL写真
今回は運に恵まれて、勝たせてもらえた。そして、声援をくれた人達に救われた。

しかし、あらためてレースは体調を万全にして出場しなければいけないと思ったし、

自分の力不足と若手の台頭を感じた。

来年は25回記念大会・・さて・・どうなるかな?

岡いずみ(*´-`)

20200713-11.jpg

20200713-12.jpg

20200713-13.jpg

20200713-14.jpg

コメント


認証コード3659

コメントは管理者の承認後に表示されます。

powered by HAIK 7.0.5
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional